帰ってくる季節に、帰らなかった少年の話をする

今日は山の日。明後日からはお盆です。
この時期の佐賀は、少しだけ人口が増えます。福岡から、東京から、大阪から。 実家の畳の匂いと、仏壇の前に座る背中と、久しぶりに顔を合わせる家族。 帰ってくる、という行為がこれほど大事にされる国は、そう多くないのだと思います。
そんな季節に、僕は少しへそ曲がりなことを考えています。 いま僕らが準備している『ピーターパン』は、帰らなかった少年の話です。
ウェンディは帰り、ピーターは残った
ウェンディは帰りました。大人になって、家庭を持って、年を重ねて、 それでもあの夜のことを覚えていた。 ピーターは帰らなかった。ずっとネバーランドにいて、ずっと同じ背丈のままでいる。
子どもの頃、僕はピーターがうらやましかった。 大人になった今は、正直、ウェンディの方が近い。 帰る場所があって、責任があって、少しずつ体が重くなっていく。
でも、この歳になって思うのは——あの二人は、対立していないんじゃないか、ということです。
帰ることと、飛ぶこと。日常を持つことと、まだ何かを始められると信じること。 どちらかを選ばされる話ではなくて、両方持っていていい。
ウェンディの暮らしのなかに、ピーターの夜を一つ持っておく。 それだけで、人生はずいぶん違う色になる気がします。
子どもだけの舞台では、ありません
2027年9月26日、SAGAアリーナ。第2回公演『ピーターパン 〜ネバーランドSAGA〜』を、 昼夜2公演で上演します。舞台に立つのは、佐賀の県民、約300人。
その300人のなかに、子どもだけを想定しているわけではありません。 仕事があって、家庭があって、それでも 「一回くらい、飛んでみたかったな」と思っている大人にこそ、来てほしいと思っています。
第1回『佐賀の夜の夢』には、約4,200名のお客様が足を運んでくださり、 黒字で幕を下ろすことができました。 あのとき舞台の袖で震えていた大人たちの顔を、僕は忘れられません。
お盆の食卓で、話してみてください
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お盆で家族が集まったら、食卓でこの話をしてみてください。 「実はやってみたかった」と言い出す人が、その席にいるかもしれない。
もっと遠くへ行けるのではないか。
帰ってくる季節に、飛ぶ話をしています。