迎え火は、まだ来ていない人のために焚く

今日は八月十三日、お盆の入りです。夕方になると、玄関先で迎え火を焚くお宅もあると思います。
子どもの頃、あの火が不思議でたまりませんでした。まだ誰も帰ってきていないのに、火だけが先に灯っている。 祖母に「もう来とらすと?」と聞いたら、「これから来んしゃあけん、焚くとよ」と言われました。
順番が逆なんです。来たから迎えるのではなく、来ると信じて、先に明かりをつけておく。
僕らも、たぶん同じことをしている
2027年9月26日、SAGAアリーナ。第2回公演『ピーターパン 〜ネバーランドSAGA〜』を、昼夜2公演で上演します。 舞台に立つのは、佐賀の県民、約300人。
正直に書きます。その300人は、まだ全員そろってはいません。これから出会う人たちです。 今日この文章を読んでいる方の中に、その一人がいるかもしれない、と思いながら書いています。
第1回のときも、順番は同じだった
第1回『佐賀の夜の夢』のときもそうでした。名前も顔も分からない人たちを見込んで、会場を押さえ、 稽古場の電気をつけて待っていた。無謀だと言われても仕方のない順番です。 それでも結果として、約4,200名のお客様が足を運んでくださり、黒字で幕を下ろすことができました。
人は「募集しています」という言葉ではなく、すでに灯っている明かりの方に近づいてくる。
誰かが本気で待っている場所には、不思議と人が集まる。あのとき、そう教わった気がします。 だから僕らは、まだ会っていないあなたのために、先に火を焚いています。
明かりは、もうついています
ミュージカルアカデミーの体験レッスンを受付中です。歌がうまい必要はありません。 経験も、自信も、今日の時点ではいりません。玄関先の明かりを見つけて、立ち止まってくださるだけで十分です。
お盆で家族が集まる方も多いと思います。仏壇の前に座って、いなくなった人のことを思い出す日に、 これから始まる何かの話をするのも、悪くない気がしています。
もっと遠くへ行けるのではないか。
その問いの先に、あなたが来てくれることを見込んで、今日も明かりをつけています。