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代表より

合図がひとつあれば、知らない人同士でも動ける

同じ舞台に立つ出演者たち

八月二十日。今日は交通信号設置記念日だそうです。 1931年のこの日、東京・銀座のあたりの交差点など三十か所あまりに、 緑・黄・赤の三色の自動信号機が置かれた。 それが日本で本格的な信号のはじまりだと言われているらしいです。

信号のことを、僕はこれまで「取り締まる道具」だと思っていました。 守らないと危ない、というほうの話です。 でも今日あらためて考えて、少し見え方が変わりました。

誰も打ち合わせをしていないのに

大きな交差点には、毎日おそろしい数の人が行き交います。 そのほとんどが、赤の他人です。名前も知らない。話したこともない。 それなのに、色がひとつ変わるだけで、全員がぴたりと止まり、また一斉に歩き出す。 誰も打ち合わせをしていないのに、です。

あれは、言葉を交わさずに、見知らぬ人同士が息を合わせるための発明だったのではないか。

「300人で、どうやって揃うんですか」

僕らの現場の話をします。 第2回公演には、佐賀の県民が約300人、同じ舞台に立ちます。 年齢も職業も、住んでいる町も違う。多くは、初めて顔を合わせる人同士です。 よく「そんな人数で、どうやって揃うんですか」と聞かれます。

答えは、たぶん信号と同じです。 揃うのは、みんなが器用だからではありません。 同じ音を聞き、同じ光を見て、同じきっかけを待っているからです。 合図が共有されていれば、人は思っているよりずっと簡単に、一緒に動けます。

だから、経験のあるなしは、思われているほど大きな差ではないと僕は考えています。 必要なのは、才能よりも先に、合図を見ようとする気持ちのほうです。 それは、稽古場に来た初日から誰にでもできます。

客席もまた、揃っていた

第1回公演『佐賀の夜の夢』には、約4,200名のお客様に来ていただき、 黒字で幕を下ろすことができました。 あの日、息を合わせていたのは舞台の上だけではありませんでした。 どこで笑い、どこで静まり、どこで拍手が起きるか。 客席もまた、誰の指示もなく揃っていたのです。

第2回は2027年9月26日、SAGAアリーナ。昼と夜、二回。

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もっと遠くへ行けるのではないか。

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