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代表より

劇場の外に、停留所をつくる

佐賀の空

八月二十二日。今日はチンチン電車の日だそうです。1903年のこの日、 東京の新橋と品川のあいだで、路面電車が走りはじめたらしいです。

路面電車のことを考えていて、ひとつ気づいたことがあります。

速さで選ばれた乗り物ではない

あれは、速さで選ばれた乗り物ではない、ということです。 もっと速い乗り物は、あとからいくらでも出てきました。 それでも路面電車がところどころに残っているのは、たぶん、 停留所が暮らしの道の上にあるからだと思います。 わざわざ出かけなくていい。買い物の途中で乗れて、降りたらもう、そこが用事のある場所です。

僕らの仕事にも、同じことが言えるのではないかと思っています。

行かないのではなく、行き方が分からない

「ミュージカルを観に行く」というのは、多くの人にとって、かなり大げさな行為です。 予定を空けて、服を選んで、特別な建物まで出かけていく。 その手前で止まってしまう人が、佐賀にはたくさんいます。 興味がないのではなく、行き方が分からないだけです。

だから僕らは、この数年、劇場ではない場所でずいぶん歌ってきました。 ショッピングモールの通路。夏祭りの櫓のそば。街の明かりの下。 買い物のついでに足を止めた方が、そのまま最後まで聴いてくださる。 ああいう時間が、いちばん手ごたえがあります。

あれは、宣伝のためにやっているつもりはありません。停留所を、暮らしの道の上に置いているのだと思っています。

4,200名の、その手前にあったもの

第1回公演『佐賀の夜の夢』には、約4,200名のお客様に来ていただき、 黒字で幕を下ろすことができました。 あの日、客席にいらした方の多くは、もともと舞台を観る習慣をお持ちだった方ではないと思います。 どこかで一度、通りすがりに出会っていた。 そういう積み重ねの先に、あの数字があったのだと思っています。

第2回は2027年9月26日、SAGAアリーナ。昼と夜、二回。

ミュージカルアカデミーの体験レッスンを受付中です。 稽古場も、特別な場所ではありません。通り道のつもりで、一度どうぞ。

もっと遠くへ行けるのではないか。

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