うまいから、残るのではない

八月二十五日。今日は川柳発祥の日だそうです。 江戸時代の宝暦七年、旧暦の八月二十五日に、ある人が最初の「万句合」を開いた日、なのだそうです。
万句合というのは、お題を出して、町の人から句を広く募って、いいものに点をつけて、刷って配る。 今でいう投稿企画のようなものだったらしいです。
名前が、残っていない
面白いのは、そこに句を出した人たちの名前が、ほとんど残っていないことだと思います。
学者でも歌人でもない。江戸の町で、商売をしたり、勤めに出たり、子どもを育てたりしていた人たちが、 その合間に五七五を書いて出した。それが二百七十年近く経った今も、川柳という名前で残っています。
うまかったから残ったのではない、と思っています。
その人の暮らしの中からしか出てこない言葉だったから、残ったのだと思います。
僕らがやっているのも、たぶん同じ種類のこと
第2回『ピーターパン 〜ネバーランドSAGA〜』の舞台に立つのは、ほとんどが、 佐賀で働いて、佐賀で暮らしている人たちです。 昼間はそれぞれの仕事や学校があって、それが終わってから集まってくる。
だからうまい、とは言いません。届かないところは、正直にあります。
それでも、あの舞台の上でしか出ない声というのが、確かにあります。 ふだん佐賀で暮らしている人が、佐賀のお客さんの前に立って歌う。 そこだけは、どんなに稽古を積んだ人を連れてきても、代わりのきかない部分だと思っています。
約4,200名の理由
第1回公演『佐賀の夜の夢』には、約4,200名のお客様に来ていただき、黒字で幕を下ろすことができました。 名前の知られた出演者がいたからではありません。 客席のどこかに、舞台の上の誰かと地続きの暮らしがあったからだと思っています。
第2回は2027年9月26日、SAGAアリーナ。昼と夜、二回です。
ミュージカルアカデミーでは、体験レッスンを受付中です。 うまくなってから来る場所ではありません。
もっと遠くへ行けるのではないか。