渡すほうが、もらっている

九月五日。今日は国際チャリティー・デーだそうです。国連が定めた日だと聞きました。
チャリティという言葉には、少し距離があります。余裕のある人が、足りない人に分けてあげること。 長いあいだ、そういうものだと思っていました。
ところが、この数年、佐賀でいろいろな現場に立たせてもらって見ているのは、思っていたのと逆のことばかりです。
いちばん時間のない人が、いちばん渡している
平日は仕事をして、夜になってから稽古場へ来て、それでも「衣裳、縫っておきましたよ」と紙袋を差し出してくれる人がいます。 土曜の朝、子どもを送ってきたついでに、そのまま椅子を並べはじめるお母さんがいます。 誰も、余っているから渡しているわけではありません。
そして不思議なことに、渡した人のほうが、帰るときに機嫌がいいんです。
手伝ってくれた人ほど、「楽しかった」と言って帰っていく。舞台に立った人ではなく、裏で動いていた人が、です。
もらったものが、その場では見えないだけなのだと思います。 人に何かを渡すと、自分の一日に名前がつく。今日は何をした日だったか、言える日になる。 たぶんそれが、渡した側がもらっているものです。
あの数字の裏側にある手
第1回公演『佐賀の夜の夢』には、約4,200名のお客様に来ていただき、黒字で幕を下ろすことができました。 あの数字の裏側は、ほとんどこういう人たちの手でできています。
第2回は、2027年9月26日、SAGAアリーナ。昼と夜の二回公演です。 募集ページには、舞台に出る人・手伝う人・観に来る人という、三つの入口を並べました。 ミュージカルアカデミーでは、体験レッスンも受付中です。
田んぼの色が、少しずつ変わってきました。夕方の風が、ようやく涼しいです。
ひとつだけ、うかがってみたいことがあります。 だれかに何かをして、こちらのほうが元気になってしまった。そんな経験は、ありますか。
もっと遠くへ行けるのではないか。