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担当スタッフ

だれのものでもない電話

稽古場の様子

九月十一日は「公衆電話の日」だそうです。一九〇〇年のこの日、東京の駅の構内に、 日本で初めての自動公衆電話が置かれたと聞きました。 はじめのうちは交換手を呼び出す方式で「自動電話」と呼ばれ、 のちにダイヤル式になって「公衆電話」の名前になったそうです。

私がこの話で立ち止まったのは、仕組みのほうではありませんでした。

あるのは、受話器を取るか、取らないか

公衆電話というのは、誰の持ち物でもありません。町の角に立っていて、 電話を持っていない人にも、かけさせてくれる。 金持ちかどうかも、えらいかどうかも、何も聞かれません。 使い方を知らなくても、たいてい書いてあります。

あるのは、受話器を取るか、取らないか。それだけです。

こんなに開かれたものを、私たちはあまり作れていないのではないか、と思いました。

町の角に、立っているようなもの

県民ミュージカルというのは、たぶんそれに近いものです。私の作品ではありません。 誰かひとりの持ち物でもない。町の角に立っているようなもので、 通りかかった人が受話器を取れる。

よく、「私なんかが行っていいんでしょうか」と聞かれます。 そのたびに、この電話のことを思い出せばよかったと思います。 公衆電話の前で、自分にかける資格があるかを考える人はいません。 かけたい相手がいるなら、取ればいい。それだけのことでした。

九月の佐賀は、日中はまだ暑いのに、夕方だけ急に風が変わります。 自転車で走ると、首のうしろのあたりだけ涼しい。 畦道には、彼岸花の赤がぽつぽつ出はじめました。

ひとつだけ、うかがってみたいことがあります。 最後に公衆電話をかけたのは、いつでしたか。

入口は、三つあります

私たちは2027年9月26日、SAGAアリーナで 第2回公演『ピーターパン 〜ネバーランドSAGA〜』を上演します。昼夜2公演です。 入口は三つあります。舞台に立つ出演者が約300人、それを支えるスタッフが約200人、 そして客席で観てくださる方が約12,000人。どれを選んでもらってもかまいません。

第1回『佐賀の夜の夢』には、約4,200名の方が来てくださいました。 もっと遠くへ行けるのではないか。それが、私たちの合言葉です。

受話器は、もう上がっています。あとは、話してくれる人を待っているだけです。

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