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担当スタッフ

名前で、呼ばれる

佐賀の稽古場に集まる県民キャスト

きょう九月十九日は「苗字の日」なのだそうです。明治三年のこの日、平民も名字を名乗ってよいという布告が出た、 それにちなんだ日だと知りました。 (布告の正式な名前や実際の広まり方など、細かいところは私も調べた範囲です。要確認としておきます。)

言いかえれば、多くの人が自分の名前をきちんと名乗れるようになって、まだ百五十年ほどしか経っていないことになります。 いま私たちは、あまりにも当たり前に呼びあっている。その当たり前が、そんなに新しいものだったのかと、少し驚きました。

稽古場に、「そこの人」はいない

土曜の朝の稽古場は、はじまる前がいちばん静かです。ドアが開いて、順番に入ってくる。靴が並ぶ。水筒が壁ぎわに置かれる。 窓から入る光は、夏よりずいぶん低い場所から差してきます。

そこで交わされているのは、ほとんど名前です。おはよう、と名前。こっち来て、と名前。さっきのとこ、もう一回、と名前。

三百人が立つ舞台をつくっています。数だけ聞くと、大きな群れの話に聞こえるかもしれません。 でも稽古場には、「そこの人」と呼ばれている人が、一人もいないのです。 合唱の三列目の五番目、という呼び方を、私たちはしません。 名簿の番号で呼ばれた人は、たぶん、そこに居つづけられないからです。

オーディションは、名前を覚えてもらいにいく日

出演のオーディションは、今年の11月を予定しています。

審査という言葉が、人を固くさせるのはよく分かります。上手に見せなければ、と思ってしまう。 でも私たちのほうから見ると、あの日は「うまい人を探す日」ではなく、 その人の名前と声を、はじめて覚える日です。名前を覚えるところからしか、稽古ははじまりません。

2027年9月26日、SAGAアリーナ。第2回公演『ピーターパン 〜ネバーランドSAGA〜』、昼夜2公演。

舞台に立つ人も、支える人も、客席で観る人も、その日は同じ建物の中にいます。 第1回『佐賀の夜の夢』には、約4,200名の方が来てくださいました。 あの客席の一人ひとりにも、当然、名前があったのだと、いまになって思います。

ひとつだけ、うかがってみたいことがあります。あなたの名前は、だれの呼び方が、いちばん好きですか。

もっと遠くへ行けるのではないか。それが、私たちの合言葉です。 出る人、手伝う人、観る人。入口は三つあります。

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