靴の音がそろう日

きょう九月二十八日は「くつやの日」なのだそうです。九と二十八で「くつや」。 ずいぶん無理のある語呂ですが、笑ってしまったあと、なぜか稽古場の靴のことを考えていました。
入口に、靴が並んでいる
稽古場の入口には、いつも靴が並んでいます。 スニーカー、上履き、ダンスシューズ、仕事帰りのままの革靴。 持ち主の一日が、そのまま脱ぎ置かれているように見えて、私はこの光景が好きです。
学校から来た子の靴と、勤め先から来た大人の靴が、同じ床に並んでいる。 佐賀のあちこちで別々に暮らしている人たちが、夜の二時間だけ同じ場所にいる証拠みたいに見えるのです。
いちばん驚いたのは、歌ではなく足音でした
第1回『佐賀の夜の夢』のときのことです。 ばらばらだった足音が、ある日を境にそろう。そろった瞬間、床が鳴るんです。
約4,200名の方が観に来てくださり、収支も黒字で終えることができましたが、 私がいまでも思い出すのは数字ではなく、あの床の音のほうです。
飛ぶ前には、かならず助走がある。
空の話をしながら、足元の話をする一年
第2回公演は『ピーターパン 〜ネバーランドSAGA〜』。 2027年9月26日、SAGAアリーナで昼夜2公演です。 ピーターパンは飛ぶ物語ですが、飛ぶ前にはかならず助走があります。跳ぶための足がある。 だからこの一年は、空の話をしながら、ずっと足元の話をすることになるのだろうと思っています。
入口は三つあります
出演オーディションは、今年の11月を予定しています。 ミュージカルアカデミーの体験レッスンも、いま受付中です。
舞台に立つ人が約300人、裏で支える人が約200人、客席で観てくださる方が約12,000人。 入口は三つあります。受付に立つ、衣裳を縫う、照明を仕込む、当日チケットを買って座る。 どれも、この舞台の一部です。
ひとつ、うかがってみたいことがあります。 あなたがいちばんよく履いている靴は、どんな靴ですか。
もっと遠くへ行けるのではないか。それが私たちの合言葉です。足元から、はじめます。